新型コロナウィルス感染症の見直し
10月1日にから負担が変わります
10月からの保険点数の見直しで、発熱をした場合でもより負担が少なく医療機関を受診できるようになります。
新型コロナウィルスが流行することにより、いろいろな対策が必要になったため、その分、流行前と比較して発熱での受診でも外来での負担が発生するようになっていました。
窓口での負担が少なくなります
- 感染対策のための費用が半額になります。
- コロナで入院するするときに、入院調整費用が約1/7に減額になります。
外来受診の場合
令和5年9月まで | 令和5年10月から | |
感染対策のための加算 | 300点 | 147点 |
窓口での負担 | ||
3割 | 900円 | 440円 |
2割 | 600円 | 290円 |
1割 | 300円 | 150円 |
今までの発熱外来での対策が変わるわけではないので、単純に負担が少なくなるということで、より受診がしやすくなります。
入院が必要な場合
最近のコロナウィルス感染症の場合、入院が必要な状態になることもほぼないため、以下の加算の適応になる方もほぼおられません。
令和5年9月まで | 令和5年10月から | |
入院調整のための加算 | 950点/回 | 100点/回 |
新型コロナの治療薬にお金がかかります
いままで、治療薬については、すべて国がその費用を負担してくれていたのですが、もうそろそろ費用がかかりすぎるので、治療薬を処方するときにも負担がかかるようになります。
新型コロナウィルス治療薬の値段
販売名 | 1治療あたりの薬価 |
内服薬 | |
ラゲブリオカプセル200mg | 94,312円 |
パキロビッド | 99,027.5円 |
ゾコーバ | 51,851.8円 |
点滴 | |
ベクルリー点滴 | 247,988円 |
率直に、目が飛び出るような価格のお薬ばかりです。
窓口での負担
負担割合 | 令和5年9月まで | 令和5年10月以降 |
3割 | 0円 | 9,000円 |
2割 | 0円 | 6,000円 |
1割 | 0円 | 3,000円 |
この負担は、大いに考える必要があると思います。薬代で9,000円!ケースバイケースだと思いますが、結構しんどいなという印象です。
基本的に基礎疾患のない軽症の方の場合は、対症療法を中心とした投薬で対応できますので、症状が強かったり、高齢で、基礎疾患のあるかたに、新型コロナウィルス治療薬の処方が必要になるとご理解ください。
ちなみにインフルエンザは?
当院では、インフルエンザの治療薬としてイナビル吸入薬を主に処方しておりますので、参考までのその薬価を載せています。
販売名 | 1治療あたりの薬価 |
イナビル吸入薬 | 4,359円 |
窓口での負担 | |
3割 | 1,310円 |
2割 | 872円 |
1割 | 436円 |
インフルエンザぐらいの費用負担なら、まだ、処方しやすいのですが
検査費用は?
検査費用については、以前に見直しがあったため、10月からも費用負担は変わりません。
検査方法 | PCR検査 |
PCR検査 | 700点 |
抗原検査 | 325点 |
窓口での負担 | ||
負担割合 | PCR検査 | 抗原検査 |
3割 | 2,100円 | 980円 |
2割 | 1,400円 | 650円 |
1割 | 700円 | 330円 |
PCR検査の方が、検査のための試薬などが高くどうしても費用がかかります。しかしながら、PCR検査の方がより正確であるため、抗原検査陰性でもPCR検査では陽性になることも、しばしば見られます。
発熱したとき、どのように医療機関を利用しましょう?
- しばらく市販の感冒薬などで経過をみる
- 自宅にあるコロナウィルス抗原キットでチェックする
- 心配なため医療機関を受診する
- コロナウィルスの抗原もしくはPCR検査、インフルエンザウィルスの抗原検査
- 採血による炎症所見の確認
- 胸部レントゲンの撮影など
医療機関を受診しますと、まずは医師による診察があり、それに加えて多方面の検査を行うことができます。
原因と特定することで適切な治療につながってきます。
原因がわかりますと、そのあと適切な治療が受けれるようになります。様子を見ていて悪化するよりかは、適切なタイミングで検査、治療を行うためにも医療機関を利用していただければと思います。