大腸ポリープへの対応
ポリープの発見
大腸内視鏡検査を行いますと、粘膜の盛り上がった病変を認めることが良くあります。
このような病変を、「ポリープ」と呼びまして、大腸内視鏡検査の場合、これらのポリープは切除の対象になってきます。
ポリープの切除方法
切除の仕方については大きく2つに分かれます。1つが通電を行わずに切除するCold Snare Polypectomyと通電を行って切除するEMR。当院では外来診療の延長での加療ということもあり、より安全で、安心して治療を受けていただけるCold Snare Polypectomyを導入して、ポリープの切除に当たっています。
Cold snare polypectomy(コールドポリペクトミー)について
当院で行っている、ポリペクトミーには、以下のような利点と欠点が存在します。
メリット
- 切除後の出血が少ない
- 切除後に消化管の穿孔(腸に穴が空くこと)の頻度が少ない
- 検査・治療時間が短くてすむ
デメリット
- 約10mm未満までの非有茎性の腺腫が対象のため、それ以上の大きさのポリープは、院内での切除できない
- ポリープ自体に、癌の疑いがあったり、表面の陥凹病変に対しては切除を行わない
大腸内視鏡検査を受けるときの準備が大変なので、大きなポリープなどが見つかった場合は、当院で切除できなくて申し訳なく思います。しかしながら、ポリペクトミーを行うかどうかの線引きにつきましては、しっかりと専門医が行っていますので、その判断の妥当性については、ご理解していただきたいと思います。
実際の写真
[st-kaiwa1]
実際の写真を見ていただけると明らかなのですが、CSP(cold snare polypectomy)の場合は、通電による傷口の熱傷が無いため、ポリープがきれいに切除されているのと、出血自体も少なくてすんでいるのがわかります。10mm未満の比較的に小さなポリープにつきましては、CSPによる切除がベストチョイスだと思います。
どれぐらいの人がポリペクトミーをしているの?
グラフを見ていただいてわかるように、大腸内視鏡検査を行った方の約半数の方が、ポリペクトミーの対象となっており、また、検査のみの方の中にも当院で切除できないポリープの方もおられるため、実際にはさらにポリペクトミーの対象となる方が多いと考えていただいていいのではないかと思います。
[st-kaiwa1]実際に、私自身の大腸内視鏡検査の時もポリープが見つかっており、ポリペクトミーを受けました。
ポリペクトミー後は、、、
ポリープを切除しますと、まず問題になってくるのがその後の出血です。
出血が多い場合の対応
- クリッピングによる止血
- 止血剤の投与
上記の処置で止血を行い、止血後に再度出血したということも無いため、安心して検査を受けていただければと思います。
切除したポリープについて
切除したポリープは、ポリープごと顕微鏡による組織検査に回ります。そこで、専門の病理医が病理的な診断を行い、後日当院へ報告が返ってくる形になっています。
切除ができないポリープの場合
当院では、ポリープの切除方法にCSP(cold snare polypectomy)を採用しているため、以下の様な特徴を有するポリープは切除できず、専門の病院に紹介させていただいております。
特徴
- 10mm以上の大きさのポリープ
- 有茎性のポリープ
- 拡大鏡などで観察を行い表面の陥凹が見られるポリープ
紹介先の医療機関
[st-kaiwa1]明らかな大腸癌が見つかり、外科的手術が必要な場合は、ほぼ全例、大阪国際がんセンターに紹介をさせて頂いております。内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)により治療のできる場合などは、平野区からの交通の便もあり、大阪鉄道病院に紹介させていただく場合が多くなっていますが、そのあたりは、患者様と相談して希望される病院に紹介させていただいています。